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塩浜ホーム(東京都江東区)の介護福祉士さん - 発見!この街のカイゴー仮面 |介護21


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私、編集部のエリリンが、施設の取材中に出会った魅力的なスタッフさんの働き方や考え方をご紹介して、勝手に「カイゴー仮面」に認定しちゃうコーナーです。介護の仕事に携わる方、介護の仕事に興味を持っている方にお届けします♪
2019-03-29|塩浜ホーム(東京都江東区) 介護福祉士

今回は、特養での「看取り介護」にやりがいを見出した介護福祉士さんです。

まえがき

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さてさて、今回取材に伺ったのは、東京都江東区にある特養「塩浜ホーム」さん。こちらは、江東区内で多様な介護事業を展開する「社会福祉法人 あそか会」の一施設で、入居者様に最期まで自分らしい生活を送っていただくためのサービスを提供しています。介護職のキャリアパスを広げるために、グループ施設への人事異動や、相談員・ケアマネージャーへのキャリアチェンジも応援しているそうです。

取材中に、入居者様と笑顔で向き合う介護福祉士さんを発見しました。お名前は香織さんで、キャリア12年目とのこと。 以前は、老健に勤務されていたそうです。

ちょこっとインタビュー

お話を伺ったところ、「今は特養の仕事にやりがいを感じていますが、新人時代は、特養は自分には向かないと感じていました…」とのお言葉が。

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──なぜ、特養の仕事は向かないと感じていたのですか?
私はお年寄りが大好きなので、最期を見届けるのは辛くて耐えられないと思ったからです。特養の最終的なゴールは「安らかな看取り」ですから。なので最初は、在宅復帰を応援する老健を選んだのですが、入職6年目の頃から、介護職としての自分自身の伸び悩みを感じるようになって…。それまで、人の死に対する不安や恐怖から特養勤務を敬遠してきたけれど、人生を最期まで全うしていただくための支援も、介護職の重要な役割だと考えるようになりました。
──特養への転職は、自分の成長のためだったんですね。
はい。以前勤めていた老健は自立度の高い入居者様が中心でしたが、特養は老健よりも要介護度の高い方が多く、当施設に入職当初は、介護職としての未熟さを痛感する日々でした。身体介助や生活支援はもちろん、認知症ケアや医療に関することなど、さまざまな知識・技術が求められるんです。また、入居者様の入居期間も長いですから、初めて看取りを経験した時は、悲しみと喪失感でいっぱいになりました。入居者様とのお別れは、何度経験しても辛いですが、私の大きな成長の糧になっていることは確かです。
──看取り介護を通して、成長を実感していますか?
すごく実感しています。死は誰にでも訪れるものですから、「幸せな最期を迎えていただくためにはどうしたらいいか」という視点を持てるようになりました。また、ご本人・ご家族に後悔が残らないよう、どんなことを求めていらっしゃるかを引き出す会話力も磨くようになりましたね。今でも、最期の瞬間が近付くと焦りを感じるし、戸惑う気持ちもありますが、それは人として正しい心の反応だと思うんです。人を思いやる気持ちは技術以上に大切ですから、「仕事がきちんとできていれば、心は動揺していてもいい」と後輩にも伝えています。
──プロとして、死に対しても動じてはいけないと思っていました。
仕事が手に付かないほどでは困りますが、看取りに慣れることはないし、悲しいものは悲しい。でも、特養の看取りはケアの集大成でもあるので、「最期の支援に私を選んでいただければ、精一杯やらせていただきます」という気持ちもあります。入居者様とお別れした後、「やれることをやった」という達成感や、ご家族から「こちらの施設でお世話になって良かった」と言っていただけることが、今の私の大きなやりがいです。

【インタビュー後記】 勝手に認定!

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介護職の仕事の中でも、ハードルが高い印象の「看取り介護」。特に未経験者の場合、人の死に対する恐怖を感じてしまうのは当然で、自分に務まるか不安ですよね。でも、看取り介護を通して成長を実感している香織さんのお話を聞いていると、看取り介護が究極の介護サービスのようにも思えてきました。入居者様に最期まで寄り沿うことに、やりがいを見出した香織さん。素敵でした。

というわけで、私エリリンが、勝手に「カイゴー仮面」に認定! 香織さん、これからの活躍に大いに期待しています。 エリリンでした!