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発見!この街のカイゴー仮面!介護に愛と情熱を注ぐ仲間を求めて、カイゴー仮面は今日も行く! vol.01 異業種から介護職にチャレンジ!

ハートケア東大宮

今日やって来たのは…

さいたま市見沼区にある介護老人保健施設「ハートケア東大宮」(入所120名、通所63名)。東武アーバンパークライン七里駅から歩いて約12分、目の前にある東大宮警察が目印だゾ!
どうやらここに、幼稚園教諭から介護職を目指し、わずか3年で主任職に抜擢されたスーパー介護福祉士がいるらしい。「保育」と「介護」、一見かけ離れているようにも思えるけど、前職の経験は活かされているのかな!?
よーし、さっそく現場に会いに行くゾー!

自己紹介

ご本人登場

はじめまして、カイゴー仮面。私は新卒から8年間幼稚園教諭をしていて、ホームヘルパーをしていた妻の影響で30代から介護の道に進みました。当時はヘルパー2級でしたが、前職の経験をすごく買っていただき、2年目で副主任、3年目から主任と、早くから責任あるポジションを任せてもらっています。

PROFILE

  • 介護福祉士 小松さん
  • キャリア 7年目
  • 働いた施設 1つ目

インタビュー、スタート!

異業種から介護職に挑戦する人って増えているよね?

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そうですね。働きながら資格が取れるし、その費用まで負担してくれる施設もありますからね。私は今の職場がヘルパー2級の実習先だったのですが、たまたま同じ幼稚園で働いていた後輩がいて、何かの縁かも…!?と思って入職したんです。
おぉ~、そんな偶然が!保育に携わっていた人にとって、介護は入りやすい業界なのかい?
保育に限らず、人と接する仕事をしていた方は入りやすいと思います。でも、働くまでは抵抗があったし、保育は子どもを未来に導く仕事だけど、介護は人の最期を見守る仕事だと思っていたから、真逆で寂しいイメージがありました。
じゃあ、最初から介護がやりたかったわけではないのかい?
はい。幼稚園教諭を辞めた後、5年くらい主夫をしながらバイトを転々としたのですが、何をやってもシックリこなくて…。そんな時、妻から介護職を勧められて、このまま定職に就かないわけにもいかないし、とりあえずやってみるか~程度で始めました。

介護にのめり込んだキッカケは?

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入職3年目の時、母体のAMG(上尾中央医科グループ)から、「業務優先の介助」から「利用者様優先の介助」に切り替える方針が出されたんです。今思えば、それがキッカケでのめり込みましたね。
業務優先の介助って心が痛むよねぇ。
そうなんです。それまでは職員が決めたタイムスケジュールだったので、排泄の時間にはトイレの前に行列ができて、それを職員2人がかりで全介助していました。その時間以外に「トイレに行きたい」と言われても、「今は行けません」としか言えなかった…。今そんなことを言ったら大変ですが、当時はそういう環境でした。
介護業界は利用者様の尊厳を守るために、ここ数年で色々な部分が見直されているよね。「利用者様優先の介助」のために、具体的にどんな工夫を?
集団としてひとまとめにした介護ではなく、小グループごとに専属の職員がつき、利用者様をより深く知った上でケアに入るようにしました。そうしたら、自然と職員がイキイキしてきて…。やっぱり介護職に就く人って、「誰かのために」という熱が人一倍強いんですよ。
そう、「誰かのために」が、一番のモチベーションさ!小松さんが不満に感じていた排泄介助は、どんな風に改善したんだい?
「一人でトイレに行ける利用者様を増やそう」という考えに切り替えて、介護職もリハビリに積極的に取り組むことにしました。すると、「利用者様のADL(※)が上がる」→「職員の手が空く」→「もっとリハビリに費
やせる」→「在宅復帰率アップ」と、とても良いサイクルができたんですよ。
※ADL…日常生活動作(食事・移動・入浴・排泄・整容など)。

他にはどんなことでADLアップを?

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「食器洗い手伝って欲しいなぁ」とか、「雑巾縫ってもらえると助かるなぁ」とか、利用者様が得意なことをお願いしています。お年寄りに針を持たせるなんて…と思うかもしれませんが、お裁縫が趣味だった方は喜んで縫ってくれますよ。
それは素晴らしい~!!
介護職って、利用者様がその人らしく活躍できるように気持ちを盛り上げていく役割を担うべきだと思うんです。お年寄りだって「誰かの役に立ちたい」という欲求がありますからね。
仕事のやり方を変えてから、介護職に対するイメージは変わったかい?
もちろん。ADLの低下をただ見守るだけじゃなくて、落ちたADLを少しでも回復させて生活の質を上げることが、この仕事のやりがいだって気が付きました。一緒に生活をしながらお互いの成長を楽しむという部分では、幼稚園教諭とかなり重なります。
真逆と思っていた前職との共通点まで見つかったんだね。
うちの職場には、営業、事務、専業主婦、飲食業など、色々な職歴の仲間がいますが、だからこそ楽しいんです!この間の料理レクでは、元ピ
ザ職人がピザを回してくれて、すごく盛り上がりました(笑)。介護に関する専門的な知識が少なくても、利用者様からすごく好かれている職員はいますし、そういう人の方が仕事が長続きしています。

仕事が大変だなぁって思うのはどんな時?

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体力的な疲れかな。でもそこも、かなり改善されてきています。今は「持ち上げない介助」の時代だから、負担が少ない介助の研修があったり、ボタンで操作できる電動介護リフト器があったり、昔に比べて「よいしょ」って場面が減りました。
精神的な部分は大丈夫?
利用者様を怒らせてしまうのが一番落ち込みますね。でも介護って常に「人対人」だから、挽回のチャンスはいくらでもあります。失敗は素直に謝って、次にちゃんと成功すれば、関係を深めていけますよ。
利用者様と真剣に向き合っているね!
ええ、私は家族同然の気持ちで向き合っています。その方が断然楽しいし、言葉だけ丁寧であっても、心がなければ利用者様に見抜かれてしまいますよ。
ズバリ、介護職としての今後の目標は?
後輩のモチベーションを上げることです。私は人材育成委員会の委員長をしているのですが、介護職は人事評価の仕組みが曖昧なので、公平な
評価に繋がるキャリアラダーを作って、「上を目指したい」という意識の高い後輩を増やしていきたいです。キャリアアップが望める職場を作っていくことが、異業種からの転職者を増やすことにも繋がると思うんですよね。

認定!カイゴー仮面!

介護職は、知識・技術以上に「コミュニケーション能力」が求められる仕事。だから人と接することが好きな人なら、例え未経験でも短期間でキャリアップできる業界なんだ。今回のインタビューを通して、異業種からの転職者が大活躍していることや、介護職の労働環境が見直されてきていることがよくわかったと思う。前職の経験を活かして、高齢者の明るい未来を創っている小松さんを、カイゴー仮面に認定するゾ!

取材協力:介護老人保健施設ハートケア東大宮

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