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発見!この街のカイゴー仮面!介護に愛と情熱を注ぐ仲間を求めて、カイゴー仮面は今日も行く! vol.03 時代に求められる介護サービス!!

外観

今日やって来たのは…

北千住駅から歩いて約10分の看護小規模多機能型居宅介護施設(通称:カンタキ)「まいほーむ北千住」。カンタキとは、2012年4月から開始された複合型サービスの新名称で、小規模多機能型居宅介護と訪問看護が合体した在宅サービスだぞ。どうやらここに、時代に求められる高齢者介護に取り組むプロフェッショナルがいるらしい。これからの時代に求められる介護サービスって、一体どんなものだろう?よーし、さっそく会いに行くぞー!

自己紹介

ご本人登場

はじめまして、カイゴー仮面。私は介護の専門学校を卒業後、健和会グループの老健で10年間働き、2011年3月の「まいほーむ北千住」のオープンから、副所長として現場をまとめています。プライベートでは3人の子どもをもつ父親で、オフの日は子どものソフトボールチームのコーチとして熱血指導に明け暮れています!

PROFILE

  • 介護福祉士 笠嶋さん
  • キャリア 13年目
  • 働いた施設 2つ目

インタビュー、スタート!

13年間介護職を続ける中で、一度も転職を考えなかった?

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はい。一度も考えたことがないですね。
転職が多いと言われる介護業界で、なかなか珍しいね~。
私はお年寄りと話をするのが好きなので、普通の人が感じているほど、仕事をしている感覚がないと思います。お爺ちゃんやお婆ちゃんの笑顔を見ていると、なんだか癒されるんですよね。私にとっての介護は、仕事という感覚を超えて楽しめるものなんです。
それは素晴らしいね。笠嶋さんは、何がキッカケで介護職を目指したんだい?
実は、学生時代、両親に迷惑をかけたことがあり、安心してもらおうと、親孝行のために介護の道に進みました。
へぇ~、イイ話だなぁ。ご両親も嬉しいだろうね。
実家が足立区なので、足立区の介護の充実に貢献できる組織で働くことができて、本当に良かったと思っています。最近は、地域によって受けられる介護サービスに差があるので、自分の頑張りが、身近な人の老後の安心につながっていると思うと、モチベーションになります。

“カンタキ”をよく知らない人達のために、簡単に説明してくれるかな?

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これからの時代に求められる介護って、ご家族の負担を減らしながら、在宅療養者を支えていくサービスだと思うんです。看護小規模多機能型居宅介護施設(通称:カンタキ)では、通い(デイケア)・泊まり(入所)・訪問(看護・介護)と、多様なサービスを提供し、医療・介護ニーズの高い在宅療養者と家族を支えています。
最近は老老介護が増えているし、家族の負担も深刻な問題だよね。
ええ。病院を退院していきなり在宅ではなく、カンタキを間に挟んで、本人に在宅の暮らしに慣れていただいたり、ご家族に介護指導を行ったりする時間が必要だと思います。そして在宅復帰後も、同じ職員が、通い・泊まり・訪問のサービスを通して本人と家族をサポートして行けるのがカンタキの特徴です。
働く側にとってはどうだい?
3つのサービスに関わることで、総合的な視点を養えるところに魅力を感じますし、専門職としてのスキルアップにもつながっています。また、新しい気付きもたくさんありました。
例えばどんな気付きがあった?
訪問介護で利用者様のお宅を訪れた時、施設では問題なく生活できているのに、自分の家では苦労されている現実を見て、とても驚きました。
私たちが目指すのは「在宅生活を支えること」なので、「自宅での暮らしを安定させるために、施設でどう過ごせば良いのか」を考えるようになりました。施設での生活が問題なくてもそれでOKではないんですよね。事業所としてもそこを頑張っています。利用者様の自宅での暮らしを知ることって、すごく大切だと思います。

訪問介護で一番はじめに驚いたことは何だった?

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認知症で、ゴミが捨てられないお部屋を見た時ですね。在宅復帰後の「ゴミ捨て」をどう支援していくかなんて、老健で働いていた頃は考えたこともなかったです。
カンタキでは、そういう生活の細かい部分まで支援しているの?
はい。日常生活の一つひとつに着目して、自宅でできていない部分の支援を行い、その後改善できたかまで確認しています。自宅と施設、両方の様子が見えるからこそ、やるべき支援が明確になるんですよ。
まいほーむ北千住では、料理もしているそうだね。
はい。3食すべて、利用者様と一緒に作っています。これは私のこだわりで、業者に依頼することもできたのですが、手作りの方がリハビリになるし、食卓の温かさを感じられるじゃないですか。
家庭と同じ食器を使用することにもこだわっているんだって?
はい。研修で小規模多機能サービスを訪れた時、普通のお茶碗とお皿で食事をしている光景に、物凄く感動したんです。
長く施設で働いていた私が、それはとっても食欲アップにつながるアイテムだと感じたので、取り入れました。

介護に対する情熱はすごく伝わってきたけど、今まで苦労や失敗もあったよね?

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もちろん。この仕事は決して楽じゃないし、利用者様の命を預かる責任もあります。当施設の開設当初、私が作った料理で利用者様が誤嚥してしまい、救急車で運ばれたこともありました。その時は本当にたくさんの人に迷惑をかけてしまい、何をするにも安全が第一だって反省しました。
情熱だけではやっていけない部分もあるよね。
そうですね。夜勤は一人だし、認知症の対応は難しいし、技量のない介護って、事故やケガにつながりますからね。でも、介護職って世の中で言われているほど悪くない仕事ですよ。私は「介護っていい仕事だぞ~!」と、声を大にして言いたい(笑)。
その声、日本中に届けて欲しいな(笑)。
ときどき母校で介護職の先輩として話をする機会があるのですが、必ず聞かれるのが「介護の仕事で食べていけますか?」という質問。私は必ず、「真面目に働けば、マイホームもマイカーも持てて、奥さんと子どもを養える収入を得られますよ」と答えています。“介護職=稼げない”というイメージを払拭したいです。
そういえば、お子さんのソフトボールチームのコーチをしているそうじゃないか。
はい。オフの日はグラウンドで、「ノック100本~!」とか叫んでいます。プライベートが潤っていないと、良い仕事はできないですよ。
だから、部下に「有休が取りたい」と言われたら、基本は断らないようにしています。

認定!カイゴー仮面!

介護職が活躍する新たな職場として登場した“カンタキ”。国の方針も「施設から在宅へ」という方向だし、笠嶋さんのように、いろいろな仕事ができることに魅力を感じる人には、ぜひオススメしたい職場だぞ。笠嶋さんは、介護を心から楽しんでいる先輩で、働く様子を見ていても、お年寄りの心を開くフリートークが上手だったなぁ。新しい時代の高齢者介護を見つめ、家族を含めた在宅支援に取り組む笠嶋さんを、カイゴー仮面に認定だっ!

取材協力:看護小規模多機能型居宅介護施設「まいほーむ北千住」(併設: 北千住訪問看護ステーション

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