一心館(埼玉県北足立郡伊奈町)の介護福祉士さん - 発見！この街のカイゴー仮面

私、編集部のエリリンが、施設の取材中に出会った魅力的なスタッフさんの働き方や考え方をご紹介して、勝手に「カイゴー仮面」に認定しちゃうコーナーです。介護の仕事に携わる方、介護の仕事に興味を持っている方にお届けします♪

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2016-02-04｜一心館(埼玉県北足立郡伊奈町) 介護福祉士

今回は、高齢者の自立支援に情熱を燃やす介護福祉士さんです。

まえがき

さてさて、今回取材に伺ったのは、埼玉県北足立郡伊奈町の介護老人保健施設「一心館」さん。リハビリに力を入れているこの施設では、常に30％以上の在宅復帰率をキープしているそうです。

取材中に、明るい笑顔が印象的なスタッフさんを発見しました。松澤さんというお名前で、キャリア14年目とのこと。施設の方のお話だと、高齢者の自立支援に情熱を燃やすプロフェッショナルなんだとか。ではお話を伺っちゃいましょう。

ちょこっとインタビュー

インタビューの最初に、自己紹介をしてくれました。「私は専業主婦から社会復帰を目指して、未経験から介護業界に飛び込み、14年目を迎えました。現在は、主任として現場をまとめながら、家庭では小学生と大学生の子育てをしています」とのこと。優しい笑顔ですね～。では、お仕事のこと、いろいろ聞いちゃいます。

──自立支援に情熱を注いでいる松澤さんにとって、高齢者の自立支援とは？

私は「“生きてて良かった”と思える生活づくりのお手伝い」と考えています。だから、日々利用者様と向き合って、どんな生き方を望んでいて、どんなことに幸せを感じるのか、よ～く観察しています。そのためには、まずは1人の人間として向き合って、私を知ってもらうことから始めています。ごく普通の人と人とのふれあいですね。私は、介護施設の中でも、人と人との関係は地域社会とできるだけ同じようにすることが大切だと思っています。この仕事をしていると、職員がつい手を貸し過ぎて自立の芽を摘みとっているように思えることがあるんですよね。たとえば利用者同士のコミュニケーションでトラブルが起きた時、私はすぐに出て行かないで見守るようにしています。だって普通の社会では、気の合う人・合わない人がいるのは当然ですから。話し合いで解決する能力を育んで欲しいんです。

──自立支援に携わる面白さを教えてください。

「人ってこんなに変われるんだ」という感動に出会えるところですね。入所時は多くの方が、身体能力の低下や社会的役割を失った自分に自信を失っています。そういう時って、起き上がろうとか、立ち上がろうとか、どんどんできなくなっていくんです。でも、生きる喜びや達成感を積み重ねて、自分の価値を見直す機会を作っていくと、自信を取り戻してみるみる変わっていくんです。身体介助をしていると、日に日にこちらに寄りかかる重さが軽くなるので、変化を肌で感じますよ。心の状態が身体を変えていく。人間にもともと備わっている能力なんでしょうね。そのプロセスに関わるのが、本当に楽しいなって思います。

──利用者様の自立支援には、一緒に働く仲間の協力も必要ですよね？

ええ、チームで自立支援に取り組んでいます。私は主任という立場なので、仲間のやる気を引き出すことも大切な仕事。そのために、私は、自分が率先して動くようにしました。行動で伝えるようにしたんです。あと、良い仕事をしたらすぐに褒めます。勤務中でも、「今の関わりすごく良いよ」とその場で伝えます。他には、メンバー全員が、「利用者様の在宅復帰」という同じ目標に向かって一体になれる雰囲気づくりを心がけています。うちのスタッフステーションでは、スタッフが集まると、「今日の●●さんはこんなことができたよ」「▲▲さん、手すりがあれば一人でトイレに行けるようになったよ」という経過報告会を自然に始めて、「あとちょっとだね。頑張ろう！」と励まし合っています。

──いいですね～。楽しい雰囲気が伝わってくるお話です。

先日、副主任から「上司の松澤さんが楽しそうに働いているから、楽しい仕事のやり方がわかる」って、嬉しい言葉をいただきました。上に立つ人間が率先して楽しく働くって、すごく大切なことだと思います。そして周りに支えられているから、私、ほんとにいつでも楽しいです。下の子は、私があまりにも楽しく働いているから、「将来は介護福祉士になりたい」とまで言ってくれています。